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【どうする家康】 三河平定戦 感想

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家康序盤の見せ場今川からの独立、特に今作の家康は今川家に好意的な設定な為、半ば主君を裏切る流れをどうするか、ハードルが高い回では有りましたが見事超えてくれました、えげつない形で・・・。

 

氏直から正式に岡崎城主に任命され,織田に勝った暁には駿府に帰還して良いとの命を受け逆に言えば勝つまで帰れず家康はあくまで今川の家臣、無邪気に喜ぶ主君に内心困惑する忠次の仕草が良かった】 仇敵 織田に挑む家康ら三河勢、前回の件もあり意気揚々 水野信元に挑む母の離縁の元凶になった、親族でありながら織田についた男だが信元が招いた織田の援軍に背後を突かれ敗北、生存を絶望しされていた忠勝は辛くも?,生還するも、80人余りの死者を出す敗北。

 

頼みの今川本軍も内外共に問題山積みで援軍を出さない中ならばと,国人吉良 義昭の協力の元、大久保 忠世の戦略を持って挑んだ戦いも一蹴、前作鎌倉殿に続いて首桶が続々としかも雑に扱われ信元から冷やかしの文が来る様は余計悲哀感じる【涙】

 

先の見えない負け戦の中、このままならいっそう織田に付いた方が良いと,言う忠勝と受容れられない元忠、親吉が乱闘する程ギスギスした空気に。軍資金も底を付きかけた時、当の主敵 が家康の下に尋ねてくる、元々信元は信長から家康を連れてくるよう命令されており、得する方 織田に賭けろと言う,無論受容れないとする家康の前に現れたのは、幼き日に解れた母 於大の方

 

元の計らいで親子水入らずの一時を過ごし安堵する家康に、於大が掛けた言葉、一時も欠かさす息子を思い、案じた事、そして主君 今川を裏切り、妻子を捨てでも、織田につけと…。 今川に未来は無いは元より今の貴方では織田に勝てない、妻子を捨ててでも領地と民を守るのが主君の覚悟。理屈では通っていても言われたく無い、まして実の親からの一言に家康が衝撃を受けたのも無理ない、息子を暖かく抱擁しながら静かにはっきりと,聞こえるようささやいてカメラの切り替わりと共に堂々と下がる於大の姿が印象的でした。

 

更にその家康の背を押したのが同じく幼き頃から身近にいた忠次、数正、民、家来達が家康に入れ込むのは、不当に年貢や戦に借り出される現状に嫌気が刺してる、そしてそれを変えてくれる家康を本気で信じているから、絶え間ない催促に激高した家康は手打ちにしようとするも、妻子や三河の民も同じ様に大切に思える彼がそんな事できるはず無く、泣き言言いながら泣き崩れるだけであった・・・。

 

程なくして家康が義昭を攻め今川を離反したとの報が氏直に届く態度は兎も角、心から家康を信じてただけに、その感情が殺意となって三河勢の妻子ら人質に向くのに時間は掛からなかった。奇しくも瀬名が三河の妻子らに渡した絹が結果的に、彼女達の死に装束になると言う、主君の判断で部下の家族が死ぬ状況と重ねる演出がよりおぞましさを増してました。

 

己と三河の人達の思いと未来の為、大切な家族と信じてくれた人々を裏切り、最も忌み嫌う信元をその傍らに寄せ、自らが下した無情な決断とそれに従うしか無かった己の非力さを家康は涙ながら噛締めるのであった・・・。

 

今迄万端の拍手の中で成し遂げた今川からの離反を、戦国で生きる主君故の決断の重み、その過程で見捨てられる人々の姿を交え無力さと悲壮感感じる回に、見せたのは凄く大胆で有ると共に、だだのテンプレで軽い物語にはしないと言う製作陣の覚悟を改めて実感する良回だと思いました。【見てて楽しいかはと言われたらあれですが【汗】】

 

次回はいよいよ尾張の信長と再会、どうなる事か。