シンにレーナ、二人の強さが良くわかる。
頭で解っていても心が許せない物、辛い目に会っても忘れては行けない事。
此処から、ハンドラーワンとスピアヘッドの物語が始まるんだな。
生きてる限り、いつもの日常はやってくる、カイエを失ってもそれは変わらない、
だとしても割り切れない物は有る、普段と何か違うセオ、見かねた女性陣からコチョコチョの刑ご褒美を受けてようやく元に戻る。
憎むべきアルバの世間知らずなハンドラーと言え、人として最低の暴言を吐いてしまった事は良くない、相手以上に無きカイエの冒涜にも繋がる。
それでも彼は言わずに入られなかった、それはかつての大切な人の事を思い出したのも有る様で。
同じくレーナも自分が無自覚に、86への冒涜、彼等の本当の名前を知ろうとしなかった事を悔いていた、(状況が状況と言え罵倒した相手への失望や殺意を抱かず自分を戒める所青臭くても善人である)。
あんな目にあっても86に肩入れするレーナに良い機会だから、割り切って諦めろと言うアネット。良く言えば客観的、悪く言えば冷めた立場の彼女だが、その理想のつけを最悪の形で見せられたレーナ(視聴者)からすれは耳の痛い正論、最も自分達には何も出来ないからと言った際の目線からはアネットも本位では無いようにも思えるが・・・。
86の現状を知って貰おうと前線におもむき死んだ父ヴァーツラフの最期の記憶。
その高すぎた正義と理想の危うさを改めて突きつけたジェロームの言葉に肩を落とす
レーナに何時もの気味悪い戦果報告の声、そこに今迄の忠告と罵声が重なって絶え間なく脳内に響いてくる。
救いたい者を救えずその上拒絶された非情な現実、浅はかで無力な己の立場、既に心身共にボロボロなレーナ、それでも止まる訳には行かない。
自分は何も出来ないし救えない、たとえ頭で解っていたとしても、否知ってしまったから、尚更それを許せない!!。(個々迄の一連の流れ、演出も然る事ながら育美氏の演技も有り、とても心震える。)
シンに無線を繋いだレーナは、先の謝罪と自らの名前を語った上で、隊員達の本当の名前を教えて欲しいと頼む。ハンドラーが86を秘匿回線にも関わらず、わざわざコールサインで呼ぶのは、名前を呼ばない事で人を死に追い遣る罪悪感から逃れる為(厳密には死なせる責任から逃げるが正しいか)だとやんわりシンは断るが今更折れる彼女では無い。
カイエ含む今迄のスピアヘッド隊員の名前を全て教え自分も先に逝った仲間達の名前を書き残し続けている、それも5年間をシンは明かす。
86には眠る墓すら与えられない、だがら生き残った自分が覚え、連れて行かなければいけない、不条理な戦場で友の死それも場合によっては自分が介錯しないと行けない中、彼等の名前、生き様を覚え続ける。
辛いとかそういう言葉で表せない境遇でも仲間達と共に戦い抜く、シンのコールサイン
アンダーティカーの理由の一つで有る以上に、皆から死神と信頼されてるのだろう。
その後レーナは戦隊全員に回線を繋ぎ、罵詈雑言を覚悟の上で全てを話す、
最初に応じたのは罵倒した当の本人であるセオ(後めたさ感じてたと言え最初に答える辺り根は良い子である)。
名前と共に語られた彼の過去、コールサインのラフィンフォックスは元々最初に配属された戦隊長から譲り受けた物、馬鹿みたいに陽気で明るく、強い元軍人のアルバの彼は最期迄最前線で戦い続け、戻ってこなかった。
その隊長の事を彼は余り多くは語らなかったけど、単純に好き嫌いで語れない位大きな存在だったのは紛れもない事実、それだけに身勝手な戦場を作った無責任なアルバひいては、上辺だけの綺麗事言ってるように見えたレーナを許せなかったのだろう。
続けて答えたライデンも内心、聖女気取りの偽善者と嘲笑っていた自分達の謝罪をしつつ、如何綺麗事言った所で上から押し付ける立場で有る事に変わりない事、それで良いなら付き合う、ただし向かないから今すぐ止めろ。
自分達も無意識にレーナを人間扱いしてなかった事に気付いて侘び、レーナの置かれてる現実をしっかり言える、つくづくライデンの人柄の良さが本当良い。
全隊員とのやり取りを終えたレーナ、ふとシンの本名を聞いてなかった事を思い出して尋ねる、シンエイ・ノウゼン、その名に聞き覚えが有るらしく彼女が発した名前、
首の無い騎士 デュラハンのパーソナルネーム ショーレイ・ノウゼン兄の名を聞いた彼は今迄見た事の無い気味の悪い笑みを浮かべていた・・・。
前回から続く、レーナの理想の問題点からの再起だけに終らず、被害者である86も、
無意識に偏見、相手を知ろうとせず見ない振りをしてしまう悲しみが産む差別の難しさ
そして辛い思いしても忘れては行けない物、自我他者共に相手を知るという事を交え。
86とレーナの距離を縮め、彼等の本当の始まりになる事を感じる、重苦しい描写は有れど見終わればすっきりとした感じになる回でした。
(ラストが不気味すぎてその感情すら吹っ飛ぶけどね汗)。
次回 5話 「私も一緒に」