直政・・・、実際は戦傷よりも日頃の過労が寿命縮めたみたいで。
彼の死後赤備えは、次男 井伊直孝の元大阪の陣で活躍するのだがそれはまた別の話。
どうする家康 第43回
主力は遅れ、信頼出来る猛者達と言え手元の主力は豊臣温厚の将、西軍に囲まれる形で布陣と言う、優勢とは言い難い状況下にも関わらず。
事前の根回しにより、三成の頼みの綱たる毛利の参戦見送り、吉川の内通
敵の目の前に敢えて陣を進めると言う、大胆な行動に触発された小早川の裏切りによって関ヶ原での劇的勝利を家康は得たのであった。
合戦シーンは此れまで授かってきた、狭いカメラ内で大軍感かつ臨場感を出す
少数精兵のアクター+バーチャルプロダクション(VP)をフルに使った本作の集大成といった形で
特報PVなどで宣伝してきただけは有る。
各アクションのシーンが短い、合戦の状況がやや解り辛いと言う点は有れど、
殺陣単体で評価するなら往年の大河に匹敵する作り。
名作 葵 徳川三代とは違った迫力と凄さを感じる。
(葵が一つの集団を美しく見せるなら、こちらは個人の技量や感情を前面にだす形)。
特に本作の殺陣の課題だった、CGや合成技術のメリットを上手く行かせる場面が少ない点も改善され、直正らの騎馬兵が西軍を蹴散らし 乱戦の合い間を縫い伝令が走る。
ロングカットでCGで双方の大軍勢が迫る=アップと同時にアクターのアクションに切り替わると見たかった物を見れて満足。
その無名の将兵達の必死さが伝わる殺陣が有るが故に、東軍の勝利が決定的になった中盤以降彼等が、
刀や槍、拳が振るわれる中もがき、苦しみながら死んでいく様子は。
物語の高揚感を保ちつつ、自分達の前で如何に惨い事が起きたのかを視聴者に示す
メッセージになってた。(前述の葵三代や坂の上の雲もだが名作と呼ばれる作品はこういう説教臭さの無い戦の非情さを見せれるのが上手い)。
正に三成が家康に言った、(自分含め)誰もが無意識に戦を楽しむ心を持ってる、そんな中で太平の世と言う絵空事語るな、と言う台詞に説得力が増す。
結局喧嘩別れのまま三成は旅立ってしまったのを含め関ヶ原をただの家康の勝ち戦
栄光の勝利にしないと言う道筋に仕立てるのは、王道と覇道、理想と現実の狭間で生きる家康を書いてきた今作故に出来る良さと思う。
しかしながら救い皆無な三成との別れは本当に辛い、あのまま星見てて欲しかったな。