遙かなる空へ

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【アニメコラム】ぼっちざろっく.解説動画を見て。

bocchi.rocks

近年稀に見る良作揃いだった昨年2022年 秋アニメ勢の一つ ぼっちざろっく!。

後藤ひとりの陰キャラネタをカオスなギャグで見せる一方で結束バンドとの出会いを、通して新しい自分と世界に飛び出して行く青春を描く一作。物語の構成は勿論、バンドシーンやキャラの細かい所作の作り(そして無駄に気合入った謎の実写パート)演出の巧みさが光る良作で、アニメ視聴してる人なら名前だけでも知ってると思います。

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偶然見かけたこの解説動画、ひとりと喜多の関係性や原作との改変シーンの説明を公平に愛を持って語っており、良くも悪くも玉石混同な(元々投稿者の考察、解釈ありきな企画なので仕方ないのですが)この手の物としては凄く出来が良いです。

 

その中で目に止まったのが、最終回 文化祭ライブでひとりのピンチに喜多が覚醒するシーン 最終回にふさわしい見せ場で見てて凄く盛り上がりました。ただ自分は原作未読で知らなかったのですが、本来原作では凄く格好良いカットと共に描かれて有るシーン、それに対してアニメ版も文句無しのクオリティなのに変わりは無いのですが、原作と比べるとあっさりと投稿者は感じたようでこれに関して、

1次に来るひとりとの遣り取りの余韻強調

2挿入歌 星座になれたらに合わせて

3喜多の成長を見せる為あえて派手な演出はさけた。

の三つの理由を上げてました。

 

どれも核心を突くもので実際これが正解に近いと思いますが。(この原作と違うとすぐ否定せず何故こうしたか冷静に考察できるのがこの人の凄い所) 自分が見て気付いたのがこの3つに加えて、

4喜多が笑顔になれるもう一つの仲間と場所を見つけた事を見せたい。

の思いが製作陣に強かったからだと思います。

 

明るく、社交的なクラスの人気者とひとりとは対極の存在、でも裏返せば誰でも馴染める=あくまで周りに溶け込む故に平凡に思えてしまう物、無論それ自体は来多だけの個性で良さではあるけど、何処か自分に虚無感を持っていたかも知れない。

 

そんな彼女に現れたのは誰とも馴染むこと無く(本人の気持ちは別として笑)、己のオンリーワンな個性を見せる隠れギターヒーローひとり。

自分にはなし得無い力なりよりも一度諦めたギターの道に戻してくれたのみならず、結束バンドと言う素晴らしい場所の存在に気付かせてくれた、恩人であり親友。

 

そんなひとりへの喜びと感謝を思わせる曲を派手でダイナミズムな感じで盛り上げる、それも悪くはないでしょうけど、その出会いが今の彼女の笑顔に繋がっている事実を視聴者に見せたい、そういった思いがあのシーンに有る、あの動画を見てふと思いました。